わかたんかこれの日記 猿丸集からのヒントその1

2017/11/20 前回「猿丸集の特徴」と題して記しました。 今回、「猿丸集からのヒントその1」と題して、記します。(上村 朋) 1.『猿丸集』の歌 3-4-15歌から3-4-17歌 ① 『猿丸集』より、詞書をもう一例引用し、その詞書に従って歌の理解をした結果を示し…

わかたんかこれの日記 猿丸集の特徴

(2017/11/9) 前回「歌の現場」と題して記しました。 今回、「猿丸集の特徴」と題して、記します。 1.『猿丸集』と『古今和歌集』の同時代性 ① 1-1-995歌を、『新編国歌大観』より、引用します。 1-1-995歌 題しらず よみ人しらず たがみそぎゆふつけ鳥か…

わかたんかこれの日記 歌の現場

(2017/11/2) 前回「たがみそぎの「たが」」と題して記しました。 今回、1-1-995歌の「歌の現場」と題して、記します。 1.この歌でみそぎをしているのは都から離れたところ 1-1-995歌の作者は、「たがみそぎ」と詠いだしています。この作者は「たつたの山…

わかたんかそれ 葬るところ

800年代の和歌について、「わかたんかこれ・・・」と題して記している上村朋です。その話題から離れて表記について記します(2017/10/26)。 1.平安京の風葬地 和歌で、ゆふつけ鳥とか八声の鳥という表現のある歌を探しているとき、「とり」の検索で「とり…

わかたんかこれの日記 たがみそぎの「たが」

2017/10/9 前回「三代集よみ人しらずの四首」と題して記しました。 今回、1-1-995歌の「たがみそぎの「たが」」と題して、記します。 夏休みのほか使用しているPCの不調や『猿丸集』のことで、8月24日から2か月近く経ってしまいました。 1.「たが」と作者…

わかたんかこれの日記 三代集よみ人しらずの 四首

2017/8/24 前回 、「 三代集のみそぎとはらへ ]と題 して記 してました。 今回は、「三代集よみ人しらずの四首」と題して、記します。 1.849年以前の歌である 1-1-501歌① 三代集 で「みそき 」表記の歌 は 8首あり 、作詠時点順 で古い歌 から 4首が、 よ…

わかたんかこれの日記 三代集のみそぎとはらへ

2017/ 8/21 前回、「万葉のみそぎも祈願 三代集は」と題して記しました。 今回は、「三代集のみそぎとはらへ」と題して、記します。 三代集の「みそき」表記等の歌21首を検討します。 1.三代集の「みそき」表記と「はらへ等」表記の検討① 『萬葉集』と三代…

わかたんかこれの日記 万葉のみそぎも祈願 三代集は

2017/8/3 前回、「越中守の造酒歌」と題して記しました。 今回は、「万葉のみそぎも祈願 三代集は」と題して、記します。 『万葉集』の「みそき」表記等の検討対象歌6首を比較検討したのち、三代集の「みそき」表記等の歌を抽出します。 1.『万葉集』の「…

わかたんかこれの日記 越中守の造酒歌

2017/7/24 前回、「正述心緒のみそぎ」と題して記しました。 今回は、「越中守の造酒歌」と題して、記します。 『万葉集』に、「みそき」表記等の検討対象の歌は、6首しかありませんでした。作詠時点順に先に示した「現代語訳の作業仮説の表」を基本にして、…

わかたんかこれの日記 正述心緒の歌

2017/7/25 前回、「万葉集にみそぎは6首か」と題して記しました。 今回は、「正述心緒のみそぎ」と題して、記します。 『万葉集』に、「みそき」表記等の検討対象の歌は、6首しかありませんでした。先に示した「現代語訳の作業仮説の表」を基本にして、423歌…

わかたんかこれの日記 万葉集にみそぎの歌は6首か

2017/7/20 前回、「みそぎの現代語訳の例」と題して記しました。 今回は、「萬葉集にみそぎの歌は6首か」と題して、記します。 1.『萬葉集』で「みそき」表記の検討対象となる歌 ① 「みそき」表記あるいは「はらへ」表記のある歌を、抽出して、検討資料と…

わかたんかこれの日記 みそぎの現代語訳の例 

2017/7/17 前回、「みそぎとは」と題して記しました。 今回は、「みそぎの現代語訳の例」と題して、記します。 1.「みそき」表記と「はらへ」表記に関する仮説 ① 現代における「みそぎ・禊」、「はらい・祓」という用語の意味を確認し、和歌における「みそ…

わかたんかこれの日記 みそぎとは 

2017/7/10 前回、「所在地不定の河と山」と題して記しました。 今回は、「みそぎとは」と題して、記します。 1.みそぎの意味は今も昔も同じか ① 今回から、1-1-995歌の初句にある「みそき」表記に関して、期間を『古今和歌集』成立の前後凡そ300年と限定し…

わかたんかこれの日記 所在地不定の河と山

2017/6/26 前回、「よみ人しらずとたつたの歌」と題して記しました。 今回は、「所在地不定の河と山」と題して、記します。 1.屏風歌の条件 ① 今回は、三代集に「たつたひめ」表記または「たつた(の)やま」表記のある歌について、「たつた(の)かは」表…

わかたんかこれの日記 よみ人しらずとたつたの歌

2017/6/22 前回、「屏風の需要」と題して記しました。 今回は、「よみ人しらずとたつたの歌」と題して、記します。 1.よみ人しらずの歌の屏風歌の可能性 ① 前回紹介した田中喜美春氏と田中恭子氏の論からは、朝廷における最初の賀の儀と記録される天長2年(…

わかたんかこれの日記 屏風の需要

2017/6/19 前回、「紅葉もみぢのたつたかは」と題して記しました。 今回は、「屏風の需要」と題して、記します。 1.歌の披露の場について ① 前々回、「たつたかは」表記の最初の歌1-01-283歌の表現を検討し、賀の行事などにおける屏風の「倭絵」(屏風絵)…

わかたんかこれの日記 紅葉もみぢのたつたかは

2017/6/15 前回「はじめの歌がたつたかは」と題して記しました。 今回は「紅葉もみぢのたつたかは」と題して、記します。 1.951年以降の「たつた」表記の歌 ① 三代集に「たつた」表記の歌は、重複を省くと33首あります。そのうち50%を越える17首が、901~95…

わかたんかこれの日記 はじめの歌がたつたかは

2017/6/12 前回、「たつたやまは竜田道とともに」と題して700年代の「たつた(の)やま」について記しました。 今回は、「はじめの歌がたつたかは」と題して、三代集に関して、記します。 1.三代集における「たつた」表記の歌 ① 1-01-995歌の検討のため、同…

わかたんかこれの日記 たつたやまは竜田道とともに

2017/6/5 前回、「700年代のたつたやまは生駒山地か」と題して記しました。大和川の亀の瀬狭窄部近くの北側の山塊とする推定との関係が残されています。 今回は、「たつたやまは竜田道とともに」と題して、記します。 1.『萬葉集』で「いこま」表記の歌 ① …

わかたんかこれの日記 700年代のたつたやまは生駒山地か

2017/5/29 前回、「700年代のたつたとは」と題して記しました。高橋虫麿は、「たつた(の)やま」という表記を、諸氏が既に指摘している、大和川の亀の瀬狭窄部近くの北側の山塊に用いていると推定しました。 今回は、「700年代のたつたやまは生駒山地か」と…

わかたんかこれの日記 700年代のたつたとは

2017/5/25 前回、「からころも+たつ 女性往生」と題して記しました。 平安時代初期、「からころも」がいろいろの縁語を紡ぎ出しているのを、記しました。 今回は、「700年代のたつたとは」と題して、初期の「たつた」の検討を記します。 1.検討対象 ① 「…

わかたんかこれの日記 からころも+たつ 女人往生

2017/5/22 前回、「三代集のからころもも 外套」と題して記しました。 900年代の「からころも」が、官人の着用する胡服起源の外套その他の短衣の防寒に資する上着ですが、例外として衣裳一般の意の歌があることを指摘しました。 今回は、「からころも+たつ …

わかたんかこれの日記 三代集のからころもも 外套

2017/5/19 前回、「萬葉集のからころも」と題して記しました。 700年代の「からころも」は、官人の着用する胡服起源の外套その他の短衣の防寒に資する上着を指す、と推定しました。 また、『萬葉集』では、「からころもたつたのやま」表記のある歌が1首あり…

わかたんかこれの日記 万葉集のからころも

2017/5/8 前回、「ゆふつけとりは2種類」と題して記しました。 今回は、「萬葉集のからころも」と題して、記します。 1.和歌のからころも ① 和歌において「からころも」という用語は、外来の衣とも、珍しく美しい衣服とも、着・裁・裾・紐などの枕詞とも古…

わかたんかこれの日記 ゆふつけとりは2種類

2017/5/1 前回、「平安初期のあふさか その2」と題して記しました。 今回は、「ゆふつけとりは2種類」と題して、記します。 「あふさか」表記のある1050年までの歌は、「逢ふ」あるいは「再会」を含意する「あふさか」という土地の名にことよせて作者は意を…

わかたんかこれの日記 平安初期のあふさか その2

2017/4/27 前回、「平安初期のあふさか その1」と題して記しました。 今回は、「平安初期のあふさか その2」と題して、記します。 「あふさか」表記を冠している1050年までの歌で関や山を詠み込んだ歌は、「逢ふ」等を含意する「あふさか」という土地の名…

わかたんかこれの日記 平安初期のあふさか その1

2017/4/24 前回、「奈良時代のあふさか」と題して記しました。 今回は、「平安初期のあふさか その1」と題して、記します。 「ゆふつけとり」表記のある最古の歌3首は、(2017/3/31の日記に記載した)作詠時点推計方法の限界から同時期と推計せざるを得ません…

わかたんかの日記 奈良時代のあふさか

2017/4/20 前回、「暁に鳴く鳥」と題して記しました。 今回は、「奈良時代のあふさか」と題して、記します。 ゆふつけ鳥を詠う最古の歌の3首は、作詠時点推計方法の限界で、同時期となっています。そのうちの2首に「あふさかのゆふつけ鳥」とあります。「あ…

わかたんかこれの日記 暁に鳴く鳥

2017/4/17 前回、「ほととぎすも をりはへてなく」と題して記しました。 今回は、「暁に鳴く鳥」と題して、記します。 推計した作詠時点から、和歌においては、「ゆふつけとり」表記の意味が10世紀前半新たに拡張したことを指摘しました。当然ながら、10世紀…

わかたんかこれの日記 ほととぎすも をりはへてなく

2017/4/7 前回、「ゆふつけ鳥は いつ鳴くか」と題して記しました。 今回は、「ほととぎすも をりはへてなく」と題して、記します。 推計した作詠時点から、和歌においては、「ゆふつけとり」表記の意味が10世紀前半新たに拡張したことを指摘しました。「なく…