わかたんかこれ 猿丸集は恋の歌集か 同時代の勅撰集の用例

 前回(2020/8/31)、 「わかたんかこれ 猿丸集は恋の歌集か 18歌と歌群」と題して記しました。

今回、「わかたんかこれ 猿丸集は恋の歌集か 同時代の勅撰集の用例」と題して、記します。(上村 朋)

 

1.経緯

(2020/7/6より、『猿丸集』の歌再確認として、「すべての歌が恋の歌」という仮定が成立するかを確認中である。「恋の歌」とみなして12の歌群の想定を行っている。既に、3-4-18歌までは、「恋の歌」であることが確認できた。歌群の構成もあわせて見直している。

『猿丸集』において、「恋の歌」とは、次の各要件をすべて満足している歌と定義している。

第一 「成人男女の仲」に関して詠んだ歌と理解できること、即ち恋の心によせる歌であること

第二 『猿丸集』の歌なので、当該類似歌と歌意が異なること

第三 誰かが編纂した歌集に記載されている歌であるので、その歌集において配列上違和感のないこと 

第四 「成人男女の仲」に関した歌以外の理解が生じることを場合によっては許すこと)

 

2.三代集恋の部の歌の検討の理由

① 『猿丸集』の歌3-4-18歌などの検討にあたり、編纂が同時代と思われる三代集の恋の部の詞書に登場する人物と当該歌の作者の関係(と性別)を参考にしました。歌をおくる相手が詞書に登場している例をみたところです。その作業を通じて得た三代集の一端を記したい、と思います。

② 予想していたことですが、「人・ひと」という語句は、恋の部の詞書で見る限り、三代集の各巻通じて、男女ともに用いており、「人・ひと」の性別はその歌そのものにかかっている、ということでした。多分歌集における歌の配列の方針にも従っているでしょうが、今はそれを確かめていません。

『例解古語辞典』でも、「人・ひと」については「生物としての人(人間)」を第一義にあげ、「人間の特定の性質や範疇についていう」、「特定の人物を念頭においていう」等の意を説明しています()。特定の時代に男の意になっているという説明はありません。

『古典基礎語辞典』では、「動物や物とは異なる一人前の人間であることをいう。ヒトとみなされるには、身体的な成熟だけでなく、社会的に通用する身分、人格や器量が必要とされる」と最初の「解説」にあります。

③ 三代集で、「人・ひと」という語句の用例は、『後撰和歌集』に断然多いものでした。また、詞書の書き方も恋の部は、それぞれ特徴がありました。

 

3.三代集恋の部の歌での「人・ひと」 

① 三代集の恋の部(部立てが恋あるいは雑恋)で、詞書に、「人・ひと」とある歌は、152首あり、「人・ひと」の用例数でいえば168例あります。

② その詞書にある「人・ひと」の性別判定は、作者と「人・ひと」との関係とともに、

 第一に、詞書と作者名のみを材料とし、恋の歌であるので「人・ひと」が恋の相手を指していればその性は作者と異なるとし、

 第二に、返歌のあることが次歌の詞書で明確の場合、次歌の詞書と作者名を材料に加え、

 第三に、それでも判定が難しい場合は当該歌の歌本文を参考とし、さらに同時代の私家集や物語に歌本文が同一あるいは類似歌と認めた歌がある場合の諸氏の研究成果を参考にした。『猿丸集』編纂の時代の歌人の理解を考慮されているであろうとの予測からです。

 これは、歌集における当該歌の配列から得られる情報は参考にしていないので、当該歌集の編纂意図からの性別判定は別である、ということです。

③ その結果は、次のとおり。

 最初に歌数です。詞書に「人・ひと」とある歌数が歌集により全然異なり、各歌集の編纂方針が異なっていることを、恋の部の歌から実感しました(下表参照)。

 『後撰和歌集』の恋の部の歌数は『古今和歌集』の1.58倍であり、詞書にある「人・ひと」とある歌数は同9.54倍です。

 『拾遺和歌集』は、恋の部だけでは379首、詞書にある「人・ひと」とある歌が10首なので、同1.05倍、0.77倍です。

 『後撰和歌集』だけは、その歌を詠った事情を抽象化しつつも詞書に記し、歌集1425首のうち恋の部の歌数の比率が高く、よみ人しらずの歌も題しらずでない歌が多いなど、巻の構成・歌の配列のヒントは多そうです。

表 三代集の恋の部と雑恋の部の歌の詞書にある「人・ひと」とある歌数(単位:首) 

                                                (2020/9/7現在)

歌集

(e)歌集の総歌数

部立て

恋の部の歌数

詞書にある「人・ひと」とある歌

(a)

 

(a/e%)

(b)計 

 

(b/a%)

(c)作者が男の名

(c/a%)

(d)作者が女の名

(d/a%)

(e)よみ人しらず

(e/a%)

古今集

1100

恋一~恋五

360

(32.7%)

  13

 (3.6%)

   10

  (2.8%)

   2

  (0.6%)

   1

  (0.3%)

後撰集

1425

恋一~恋六

568

(39.9%)

 124

 (21.8%)

   48

  (8.5%)

  10

  (1.8%)

  66

 (11.6%)

拾遺集

1351

恋一~恋五、雑恋

443

(32.8%)

  15

 (3.4%)

   8

  (1.8%)

   2

  (0.5%)

   5

  (1.1%)

合計

 

 

1371首

 152首

 (11.1%)

   66首

  (4.8%)

  14首

  (1.0%)

  72首

  (5.3%)

注1)歌数は、『新編国歌大観』による。

注2)拾遺集の部立て「雑恋」は、必ずしも大人の男女の間の恋の歌と割りきれないが、対象とした。

④ 次に、「人・ひと」の用例です。まず、作者の性別で整理すると、次のとおり。(下表参照。なお、歌別判定結果は、付記1.を御覧ください。)

 「人・ひと」の用例は152首に168の用例があり、歌の相手を指している用例が114例(歌数の75%)ありました。そして、作者自身を指している用例が7例、第三者を指している用例が47例ありました。

 歌の相手を指している114例中、4例のみが性別の推定が不定となりました。下記⑧以降に判定理由を記します。

 また、第三者を指している47例中性別の推定が不定となったのは22例ありますが作者の競争相手を指すほかは「親ども」とか「家人」とか「世間一般」とか、性別をとくに明確にする必要のない例ばかりでした。三代集の各編纂者は、「人・ひと」に誤解の生じないように配慮している、と言えます。

⑤ 歌集別にみると、『古今和歌集』において、「人・ひと」の用例のある歌13首に17例の用例がありました。作者がよみ人しらずの歌は1首のみです。作者は女と推定しました。その歌での「人・ひと」の用例は二つあり、作者自身と第三者でした。前者は特異な用い方と言えます。

 「人・ひと」の用例17例のうち第三者の用例は、6例(13首中半数近くの歌に )あり、それは「人・ひと」と言う語句が、作詠事情の記述に必要であったのであろう、と推測できます。

⑥ 『後撰和歌集』においては、13首中に「人・ひと」の用例が133例ありました。作者がよみ人しらずの歌は66首と半数以上あります。その66首での「人・ひと」は相手を指している用例が51例(不定例を含む)あり、第三者を指しているのは9例でした。作者自身を指しているのが3例でした。

 そして13首中に作者が明らかな歌(男の名あるいは女の名)58首では、その歌での「人・ひと」は相手を指している用例が44例あり(76%の歌)、作者自身を指す例は1例です。このように、よみ人しらずの歌に特有の用い方があるようにみえません。

⑦ 『拾遺和歌集』では、「人・ひと」の用例のある歌15首中に作者がよみ人しらずの歌は5首あります。その歌での「人・ひと」が相手を指している用例と作者自身を指す用例が各2例あります。

 

表 三代集の恋の部と雑恋の部の歌の詞書にある「人・ひと」の用例と当該用例と当該歌の作者との関係(付:用例のある歌数)       (2020/9/7現在)

作者の姓名

詞書にある「人・ひと」の性別と歌での立場 (単位:例)

合計(単位:例)

用例のある歌数(首)

歌の相手であり

三者であり

作者自身

不定

不定

男の名

古今

後撰

拾遺

  8

 35

  5

 

 

 

 0

 0

 0

  0

  2

  1

 2

 9

 1

 3

 6

 2

 0

 1

 0

 13

 53

  9

10

48

8

女の名

古今

後撰

拾遺

 

 2

 9

 1

 0

 0

 0

  0

  1

  0

0

0

 0

0

1

 1

 0

 0

 0

  2

 11

  2

  2

 10

  2

み人

推定男

  0

 31

  2

 

0

 0

 0

0

 1

 1

0

6

0

 0

 6

 1

0

3

 0

  0

 47

  4

  0

 44

  3

推定女

 

 0

16

 1

0

 0

 0

0

 0

 0

 1

 0

 0

 0

 2

 0

 1

 0

 2

  2

 18

  3

  1

 18

  2

推定不定

0

 0

 0

0

 0

 0

0

 4

 0

 0

0

 0

0

 0

 0

0

 0

 0

 0

 0

 0

0

  4

  0

0

4

0

(例)

古今

後撰

拾遺

 8

66

 7

 2

25

 2

 0

 4

 0

 0

 4

 2

 3

15

 1

 3

15

 4

 1

4

2

 17

133

 18

 13

124

 15

合計

81

29

 4

 6

19

22

 7

168

152

                       

注1)歌は『新編国歌大観』による。

注2)恋の歌:部立てが、三代集で「恋」または「雑恋」にある歌。

注3)用例数:上段が古今集、中段が後撰集、下段が拾遺集

注4)よみ人しらずの作者の性別:判定は上記②による。

 

 ⑧ 上の表で、よみ人しらず(推定不定)の作者の歌で「人・ひと」の用例が相手を指しているものの性別不定となった歌が4首あります。

 1-2-827歌 人のもとにつかはしける 

 1-2-836歌 ただふみかはすばかりにて年へて侍りける人につかはしける 

 1-2-847歌 年月をへてせうそこし侍りける人につかはしける 

 1-2-977歌 人に忘られて侍りける時

 

⑨ 1-2-827歌は、次のようなことから判定したところです。

 1-2-827歌の詞書「人のもとにつかはしける」とまったく同文の詞書が、このほかに三代集恋の部の歌のなかに4首あります。

 作者名が源ひとし(1-2-619歌)、右大臣(1-2-775歌)、きよなりがむすめ(1-2-714)の3首は 作者名より「人」の性別が明らかになり、男1例、女2例となります。

残りの1首はよみ人しらずであり、歌にある「みずのもり」により作者を男と推定し、「人・ひと」は女と推定ました。

 このほか「ひとにつかはしける」とある歌2首があり、作者が源ひさし(1-2-577),紀長谷雄(1-2-620歌)です。

 このように、圧倒的に「人・ひと」の用例は女が多いものの、「女の、人のもとにつかはしける」と言う詞書もあり(1-2-525歌 よみ人しらず)、歌本文を参考にしても、この1-2-827歌での「人・ひと」は不定としたところです。可能性としては(作者が男となり)女が強いと思います。

⑩ 1-2-836歌および1-2-847歌の詞書にある「年へて」に関しては、次の用例があります。

 1-2-544歌 「女に年へて心ざしあるよしをのたうびわたりけり。女猶ことしをだにまちくらせとたのめけるを、その年もくれてあくる春までいとつれなく侍りければ」 

 この歌の作者は、よみ人しらず(男)であり、 「年へて」も女に心ざしあるよしを詠い“年へて男が言い寄っている例”です。

 1-2-672歌 「年をへていひわたり侍りくる女に」

 作者は源すぐるであり、 この歌では“年へて女が言い寄っている例”となります。

 1-2-963歌 「年をへてかたらふ人のつれなくのみ侍りければ、うつろひたる菊につけてつかはしける」

 作者はきよかげの朝臣であり、この歌は“年へても男が言い寄っている例”です。

 1-2-1006 「いひわびてふたとせばかりおともせずなりけるにけるをとこの、五月ばかりにまうできて、年ごろひさしうありつるなどいひて、まかりけるに」

 作者はよみ人しらず(女)であり、 2年後に男が突然訪ねた折の歌であって、“年へても男が言い寄っている例”です。

 「年へて」後でも言い寄る歌は男女が詠っているので、この歌の「人・ひと」を不定としたところです。この2首での「人・ひと」の可能性としては男が強いと思います。

 また、「ひさしくかよはふ」と詠う1-2-646歌の詞書は、 「年ひさしくかよはし侍りける人につかはしける」とあり、作者はつらゆきです。この歌でも“年へて男が言い寄っている例”があります。

⑪ 1-2-977歌の詞書にある「わすられ(て)」に、次の用例があります。

 1-2-830 「伊勢なん人にわすられてなげき侍るとききてつかはしける」 

 作者は贈太政大臣であり、伊勢が「人に忘れられた」時におくった歌であり、「人」は男(具体的には藤原仲平)です。そして、“忘れたのは男”となります。

 1-2-978 「思ひ忘れにける人のもとにまかりて」

 作者は「まかりて」後に詠んでいるのでよみ人しらず(男)であり、「人」は作者が忘れていた「女」です。“忘れたのは男”となります。

 1-2-1058 「思ふ人にえあひ侍らで、わすられにければ」 

 「思ふ」のは作者であり、1-2-978歌にならえば「思ふ」のは男となります。(思ふ)「人」とは女であり、作者のよみ人しらず(男)を“女が忘れてい”ます。

 このように男女の例があり、このため、1-2-977歌の「人・ひと」は不定としたところです。可能性をいうならば1-2-977歌の「ひと・ひと」は男が強いと思います。(今、配列からの検討は別途のこととしています。)

⑫ この4首とも可能性が強い方をとれば、「人・ひと」の性別は確定し、「不定」という用例はなくなります。三代集それぞれの歌の配列・編纂方針から「人・ひと」の検討を今後のこととしていても、詞書の「人」の性別とよみ人しらずの作者の性別を三代集の各編纂者はあいまいにしていないのではないか、と言えます。

⑬ 詞書にある人物の行動に注目すると、次の行動は、男の行動でした。

 (・・ある人物のところに)まうでる・まかる

 (あしたに・かへりて)つかはしける (「ひとのもとにつかはす」は女にもある行動)

 しのびにあふ(かよふ)

 いひわずらふ

 かれがたになる

 これに対して、次の行動は女の行動でした。

 宮づかへ(する)

 人まちける

 男の通い婚がベースであるのが、これからも読み取れます。

 

4.猿丸集と三代集の関係

① 『猿丸集』の詞書とよく似た詞書である歌が三代集の恋の歌にあります。

 3-4-5歌詞書「あひしりたりける)女の家のまへわたるとて、・・・いれたりける」に似通う歌

 1-3-687歌 懸想し侍りける女の家の前をわたるとて、いひ入れ侍りける よみ人しらず

 

 3-4-13歌詞書「おもひかけたる女のもとに」と同じ歌 (但し漢字仮名まじりの文では異なる)

 1-2-1014歌 思ひかけたる女のもとに     あさより

 

② 『猿丸集』の詞書とまったく同じ詞書が1首あります。

 3-4-12歌 「女のもとに」と同じ歌

     1-2-534歌 女のもとに   よみ人しらず。

 この歌は、『後撰和歌集』の配列をみると、1-2-532歌(題しらず よみ人しらず)から1-2-536歌を一組とする贈答を繰り返す歌のなかにある歌です。一連の歌であることを証するかの詞書になっています。

 『後撰和歌集』では、おくる相手を「女」、「男」あるいは「人・ひと」と明記する場合、「・・・(のもと)につかはしける」が40首以上あり原則となっているようです。『後撰和歌集』での例外的な詞書「女のもとに」に従えば、『猿丸集』での「・・・のもとに」という詞書のある歌は、前後の歌と一組の歌となっている、とみなせます。3-4-6歌、3-4-9歌、3-4-12歌、3-4-13歌および3-4-15歌の5題の詞書が該当します。(『猿丸集』の配列からの歌集検討時に再度これらに触れることとします。)

③ なお、『古今和歌集』では「(ある人物のもとに)よみて、つかはす」が原則のようであり、そのほかでも「やりける」、「をこせたりける」等詞書は動詞で文が終わっています。『猿丸集』には「つかはす」という語句で終わる詞書はありません。 

④ ブログ「わかたんかこれ 猿丸集・・・」を御覧いただき、ありがとうございます。

次回は、『猿丸集』の第19歌などの再検討をします。

(2020/9/7   上村 朋)

付記1.三代集(恋の部の歌)の詞書にある「人・ひと」の、歌別判定表 

表1 古今集の用例   (2020/9/7 現在)

作者性別

 詞書の「人」の性別と歌での立場

 

作者の相手

三者

作者自身

 

相手(女)

相手(男)

三者

三者(女)

三者(男)

三者不定

(13例)

479b, 588, 589a, 616, 632a 644, 735, 747

 

 

 

589b,

632b

479a, 556,745

 

(2例)

 

789, 790

 

 

 

 

 

 

よみ人しらず(推定男)

 

 

 

 

 

 

 

よみ人しらず(推定女)(2例)

 

 

 

 

 

645b

 

 

 

645a

よみ人しらず(推定不定)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

計 17例

8例

2例

 

 

3例

3例

1例

注)歌:『新編国歌大観』記載の『古今和歌集』での歌番号。「a,b」とは当該歌の詞書の文章中の「人・ひと」の用例の順番をさす

 

表2.後撰集の用例  (2020/9/7 現在)

作者の性別

 詞書の「人」の性別と歌での立場

作者の相手

三者

作者自身

相手(女)

相手(男)

不定

三者

三者

三者不定

男の名

(24+18+11例)

507,508a,510,577,

605,619,620,628,

646,655,658,661,

681,687,695,697,

698,

729,747,775,788,

790,794,798,

843a,845,862,

902,916,963,1033a

1036,1044,1056a

1056c

 

 

 

 

 

737,

 

 

 

 

 

1056b

613,

615,

 

750,

755,

758,

830,

844

865,

1028

508b,

550

596,

614,

843b

 

 

 

 

 

1033b

579

女の名

(4+6+1例)

 

530,555,665,

714,746b,820,

833,841,

944

 

 

 

746a

 

682,

 

 

よみ人しらず(男)

11+13+23例

512,528,557,558,

580,686,688,689,

728,762a,770,772,

774,792b,811,850,870

893,913,924,

964,965,966,978,

994,999,1012,

1017,1034,1050,

1058

 

 

 

 

 

762b

 

 

 

571,

626,

662

854

875

1042

 

 

 

792a

 

 

911,

941,

948b

1009,

1018,

 

 

 

 

 

 

914

940

948a

よみ人しらず(女)

5+6+7例

 

525,542,627,

674,684,

777,801,813,

816,840,

943,969,973,

1045,1055,

1062,

 

 

 

 

 

725

 

 

1001,

 

よみ人しらず(不定) (0+3+1例)

 

 

 

827,

836

847,

977,

 

 

 

 

計44+46+43例=133例

25+19+22例

=66例

8+10+7例

=25例

0+3+1例

=4例

0+3+1例

=4例

5+8+2例=

15例

4+3+7例

=15例

1+0+3例

=4例

注)歌:『新編国歌大観』記載の『古今和歌集』での歌番号。「a,b」とは当該歌の詞書の文章中の「人・ひと」の用例の順番をさす

 

表3.拾遺集の用例 拾遺集の恋部と雑恋 (2020/9/7 現在)

作者の性別

 詞書の「人」の性別と歌での立場

作者の相手

三者

作者自身

相手(女)

相手(男)

不定

三者

三者

三者不定

男の名

(9例)

760,764a,796,

909,

1242 

 

 

810

1267

764b,

1246,

 

 

女の名

(2例)

 

817 

 

 

 

852 

 

 

よみ人しらず(男)

(4例)

790,914

 

 

 

 

1225a

 

1225b

 

よみ人しらず(女)

(3例)

 

1273a

 

 

 

 

998

1273b

よみ人しらず(不定) (無し)

 

 

 

 

 

 

 

 

計18例

7例

2例

無し

2例

1例

4例

2例

注)歌:『新編国歌大観』記載の『古今和歌集』での歌番号。「a,b」とは当該歌の詞書の文章中の「人・ひと」の用例の順番をさす

(付記終わり 2020/9/7  上村 朋)