わかたんかそれ猿丸集を読んで その1

 2019年も立秋を迎えるころとなりました。上村 朋です。

 冬支度を終わった地域もあるでしょうが、今年被災をうけた地域はいかがでしょうか。

万葉・古今の歌の異伝歌から成る歌集とされている『猿丸集』の各歌を、その異伝歌と言われる歌との比較の作業が一通り終わったところです。面白い歌集でした。

 

そしていくつかのことを確認できました。

異伝歌と同じ趣旨の歌は一つも無く、異伝歌をベースにした新しい歌ばかりでした。

同音異義語を上手に用いた歌であり、ひらかな書き記された面白い(詞書付きの)歌でした。

20首以上の歌が異伝歌とされている古今集の配列に関して新たな発見がありました。このように古今集を鑑賞できるのだ、という喜びがありました。

『猿丸集』は、詞書を創作しただけで見違えるようになっている歌もあります。それも作品(歌や歌集や小説や絵画や作曲など)の作り方の一つです。(付記1.と付記2.参照)

 

現代短歌で、猿丸集と同じような作り方をして発表された歌集を、どなたかご存知ではないでしょうか。教えてください。(E mail:yayohigo20@gmail.com

不定期となりますが、雑感を綴り、「わかたんかそれ・・・」も続けたい、と思います。

ご覧いただき、ありがとうございます。(2019/11/5 上村 朋)

 

付記1.猿丸集を読むにあたって、小松英雄氏の著作から多くを学びました。そのほか多くの方に学恩を蒙っています。深く感謝します。

付記2.猿丸集の各歌の検討は、私の「わかたんかこれ 猿丸集・・・」シリーズのブログをみてください。2018/1/15付けブログから2019/11/4付けまであります。猿丸集の配列など編纂物としての検討はこれから行う予定です。

(付記終り。 2019/11/5   上村 朋)